慶應義塾大学メディアコムの学生制作ドキュメンタリーに「地方の時代」映像祭2024で奨励賞

2025-01-28

慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所(メディアコム)の研究生が制作したドキュメンタリーが「地方の時代」映像祭2024で奨励賞に選ばれました。「地方の時代」映像祭は「地方から社会の今を見つめる」というテーマで放送局やケーブルテレビ、それに市民や大学生、高校生らが制作したドキュメンタリーの中から優れた作品を表彰するもので、今年で44回目。「市民・学生・自治体部門」で入賞した11作品に選ばれました。 奨励賞に選ばれたのは「あるけあるけ 浪江町、未来への歩み」という作品。2023年度秋学期メディアコム開設科目「映像コンテンツ制作Ⅱ」の授業で3人の学生が制作しました。

「あるけあるけ 浪江町、未来への歩み」から
「あるけあるけ 浪江町、未来への歩み」から
「あるけあるけ 浪江町、未来への歩み」から
「あるけあるけ 浪江町、未来への歩み」から
「あるけあるけ 浪江町、未来への歩み」から

この作品は2011年の東日本大震災と原発事故の後で浪江町から去って現在は別の自治体に暮らしながらで年に一度戻ってくる人や事故後に浪江町に移住してきた人など浪江町にかかわる様々な人生を描いた作品です。新しい年を迎えた初日の出を浪江にかかわる人たちが浜辺まで歩いて見つめる「あるけあるけ初日詣大会」という恒例のイベント。それをクライマックスにして交錯する様々な「思い」が浮かび上がる構成にしています。

制作したのはメディアコムで研究生として学んでいる鈴木倫子さん(文学部3年)、会津万葉子さん(文学部3年)、新村健一さん(文学部3年)の3人です。年末年始を福島県の富岡町などに滞在し、集中的に取材。年明けに映像を編集して完成させました。撮影は3人全員が担当し、作品を仕上げる段階では構成とナレーションを会津さんが主に担当し、映像編集を主に鈴木さん、新村さんが両方を補佐する役割を担いました。

大阪・吹田市の関西大学で行われた表彰式には会津さんと新村さんが出席し、壇上で賞状とトロフィーが贈られました。

「地方の時代」映像祭2024で奨励賞
「地方の時代」映像祭2024で奨励賞
表彰式で壇上に上がった会津さんと新村さん

受賞した学生たちの言葉です。

会津万葉子さん
「この度は名誉ある賞をいただきまして、本当にありがとうございます。
私にとって、ドキュメンタリー制作を始めた頃から目標にしていた賞の一つでした。このように評価していただけたこと大変嬉しく思っております。学生の『知りたい』という思いに協力してくださったすべての皆様に感謝申し上げます。そして、地震や災害の被害で苦しんでいらっしゃる方々が1日も早く穏やかな生活を送れますよう心からお祈り申し上げます」

鈴木倫子さん
「この度は私たちの作品を、歴史ある地方の時代映像祭の奨励賞に選んでいただき、とても嬉しく思います。技術として拙い部分も多くありますが、私たちが実際に浪江町を訪れて知ったこと・感じたことを映像で伝えることが出来ていれば幸いです。改めて、取材・撮影にご協力くださった皆様にお礼申し上げます。今後も、見る人に新たな視点をもたらす映像を作ることが出来るよう精進して参ります」

新村健一さん
「この度はこのような賞をいただきまして大変光栄です。ありがとうございます。賞をいただいたことによって多くの人に作品を見ていただけることもまた嬉しく思っております。取材を通して分かった震災から13年が経った今も、人口が戻らない浪江町の現状と未来に向けての歩みを映像にしました。これからも取材を通して感じたことを映像にしていきたいと思います」

「地方の時代」映像祭2024で奨励賞
向かって左から、新村健一さん、会津万葉子さん
「地方の時代」映像祭2024で奨励賞
向かって左から会津万葉子さん、新村健一さん、鈴木倫子さん

第44回 「地方の時代」映像祭の入賞作品はこちら
https://www.chihounojidai.jp/work/2024.html

※文中に記載の学年は2025年1月現在