2024年度メディア・コミュニケーション研究所 修了論文発表会

コスモポリタンとしての農本主義―宮沢賢治とファシズム的農本主義の距離―

基本情報

ゼミ:都倉武之
氏名:K.M.
所属:法学部政治学科

※発表者の意向により氏名をイニシャル表記としました。

修了論文発表

宮沢賢治と権藤成卿の農本主義を比較した。賢治の農本主義については、羅須地人協会の活動と、法華経信仰の観点から考察し、権藤については、「社稷」の観点を中心に論じた。権藤は、「社稷」という根本的欲求を満たす「社稷」をユートピアとして措定し、それを成立させる存在として天皇を定位。それゆえ、理想と現実を跨ぐ天皇の存在が契機となって、権藤の抽象的理念は現実の地盤へと落下し、急進的ファシズム運動(5・15事件)という行動様式となって表出した。反対に、賢治は自給自足圏の農村を理想郷とするものの、「一切衆生皆成仏道」という法華経の信仰によって、国家と天皇の存在を相対化することで、現実と距離をとった。

修了論文発表を見る 修了論文発表を見る② 発表資料

※2026年3月31日まで公開。この資料は学内限定公開です。資料を見るには「keio.jp」認証が必要です。

所属ゼミ紹介

「都倉武之」に関する情報は以下をご覧ください。